SEOが激しい業種とは一般的にどこなのだろうか。
SEO大手のアイレップ社が決算説明資料で毎回業種別の売上高構成比を公開している。
アイレップ社のビジネスモデルから売上高に占める大半は運用型広告系(SEM,アドテクノロジーなど)の顧客だが、運用型広告への投資額の大きな企業は、同様にSEOにも投資可能性が高いと推定し、これをもとにSEOの激しい業種を検証してみる。
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アイレップ社決算説明資料より引用
業種を確認すると、アイレップの業種別売上高のトップ3は1)旅行業界 2)人材・教育 3)小売/通販 となっている。
そしてその後はメディア、不動産と続く。これらの業種は確かに私の経験則からもSEO案件の多い業種ばかりである。
SEOが激しい業種の特徴
上記を見るとSEOが激しい業種には共通項があることが分かる。例えば以下に記載したような項目である。
1)BtoCで検索市場規模が大きい。
主に検索市場が大きくなるのはBtoBよりもBtoCの分野である。なぜなら一般的にBtoC分野の方がユーザー数は多くなるからである。BtoCの中でもインターネットと親和性の高い商品はとくに検索の市場が大きくなる。
2)サイト構造的にSEOの効果が出やすい。
比較的大規模であったり、技術的な要件が多かったりした方が、SEOに投資した場合の成果は大きい。旅行や人材などは商材の多様さからサイトの規模は拡大する傾向が強く、DB連動した動的構造になっている場合が多いため、改善時にSEO効果の効果は出やすい。
3)WEBが経営全体に占めるインパクトが大きい。
WEB経由の売上が全体売上の中で微々たるものであれば、多くのコストをSEOやSEMに投資したりはしないだろう。しかしWEB経由で売上やユーザー獲得の比率が大きく、サイトの流入数やCVRに比例して売上が上がる業種(サイト)はSEOを重要度高く設定しているだろう。
つまりこのような特性を持つ業界はSEOに対する重要度が高く、プレイヤーが大きな投資をしている可能性がある。SEOが激化している業種である。
業種別の特性を理解した上で戦略を考える
様々なサイトのSEOに携わる業務を行っていれば、業種ごとのサイト傾向に気が付くことは多いだろう。多くの場合、業種ごとのサイトの構造や狙っているキーワードは似たようなものになる場合が多い。市場の競走状態や、競合サイトの構造や強さ等特性を理解した上でいかに競合に勝つための戦略を考えられるのか。
もし自社が上述したようなSEOの激しい業種に属する場合は、それ相応の戦略を考えなければならない。
過去記事でも記載したが、自社の特性によってSEOの戦い方は異なるのだ。
(参考:SEOでどのように競合と戦っていくか)
今回のポイント
・アイレップ社の資料から推測すると、SEOの激しい業種トップ3は1)旅行業界 2)人材・教育 3)小売/通販 である。
・SEOの激化する業界には傾向がある。BtoCで検索市場規模が大きいこと、サイト構造がSEOと親和性が高いこと、ビジネスにおいてWEBの重要度が高いことの3つである。
・SEOが激化している業界にいる場合は、自社の特性によってSEOの戦い方を決めていく必要がある。